【家庭菜園アドバイス】ホウレンソウの育て方について

 ホウレンソウはビタミンやミネラルを豊富に含む緑黄色野菜で、特に日本人に不足しがちなビタミンB群や造血作用に関係する葉酸、そして鉄分とカリウムが多いのが特徴です。春まきと秋まきとありますが、秋まきの冬取りの栄養価が高く、甘味も増しておいしいです。

●作物特性
 冷涼な気候を好み、寒さには強く、0℃以下でも枯死せず一時的には-10℃にも耐えるとされていますが、高温に弱く25℃以上では発芽不良や病害が多発します。また酸性土壌を嫌います。

1、畑の準備・畝立て(図1)
①播種の2週間以上前に苦土石灰を1㎡あたり2~3握り(100~150g)入れて深く耕します。
②1週間前に堆肥を1㎡あたり2㎏程度と化成肥料を2~3握り(100~150g)入れて耕します。
③畝幅は60~90㎝程度とし、畝の高さは5㎝ほどにします。(水はけの悪いところは10~20㎝)。

2、種まき(図1)
①深さ1.5~2㎝、幅3㎝ほどの溝をつくり、種を1~2㎝程度の間隔になるようにばらまきして、1㎝位の厚さで覆土をして軽く押さえしっかり水をやります。
②種まき後は発芽まで乾かないよう水やりをします。5~7日ほどで発芽します。

図1:畝立て・種まき
土を軽く盛り上げて幅60~90㎝、高さ5㎝ほどの畝を立てる。
畝に15~20㎝間隔に深さ2㎝くらいのまき溝を付け、1~2㎝間隔に種をまく。

3、間引き・追肥(図2、3)
①1回目の間引き:本葉1~2枚の頃1回目の間引きを行い、株間を3㎝程度にします。
②2回目の間引き:本葉3~4枚頃に2回目の間引きをして株間を6㎝位にします。
③追肥は、2回目の間引きのあとに化成肥料1㎡あたり1握り(50g)を条間にばらまきします。

図2:間引き
発芽がそろい、本葉1~2枚の頃、込み合ってたところを間引きし、3㎝間隔に。
その後、本葉3~4枚の頃、間引いて6㎝間隔に。
図3:追肥
2回目の間引きのあと、化成肥料を条間にばらまき、株元に軽く土寄せする。

4、収穫
草丈が20㎝以上になったら収穫します。抜きとると他の株を傷つけることがあるため地際から切り取ります。

ポイント【霜に当たるとおいしくなる!】
 ホウレンソウは寒さに強く、霜が降りても繊維が柔らかくなって甘みが増しますので心配はいりません。葉先の傷み防止や生育の促進のため、寒冷紗や不織布で簡単なトンネルをかけるとよいでしょう(図4)。

図4:防寒対策
寒冷紗や不織布で簡単なトンネルをかけると、生育を早めたり、 厳寒期に葉先が傷むことも防げます。

【参考資料・図】
・JA新聞連「JA広報通信・あなたもチャレンジ!家庭菜園」
・サカタのタネ園芸通信「失敗しない栽培レッスン」