1 地域の作物作付の現状、地域が抱える課題

耕地面積は約1,700haでそのうち水稲の作付面積は258haとなっています。耕地の大部分は木曽川の本支流に沿った標高400mから1,300mの標高差のある狭隘な谷地にあり、基盤整備が遅れています。農地の多くが山間地に位置し、1戸あたりの耕地面積の割合は県平均よりかなり小さく、耕地面積に占める牧草地の割合は24%と高いです。
気象条件は、寒暖差が大きく、年間降水量は2000mm~2500mmと県下では雨が多く、病害虫の発生しやすい地帯です。 
水田転作作物においては飼料作物のほか、土地利用型作物としてそばの作付けが進んでいます。
また、農家の高齢化が進んでおり、農家戸数の減少が見られるとともに、不作付地の
拡大が進んでいます。こうした中、水稲作付面積の維持が課題となっています。

2 高収益作物の導入や転作作物等の付加価値の向上等による収益力強化に向けた産地としての取組方針・目標

水田転作作物として収益が見込め、すでに定着した作物は今後も生産維持を図る一方、生産者の高齢化により作付の維持が出来ない作物もあり見直しが必要となっています。この事を踏まえ、木曽地域に拡大を図る収益性が高い品目として、昨年度より花き、花木等の品目設定を行っています。今後木曽地域の水田転作作物として収益確保を目指しています。

3 畑地化を含めた水田の有効利用に向けた産地としての取組方針・目標

昨年度は水田転作として新品目に取り組み、水田の有効利用の方針としましたが、大きな有効利用とは及ばないのが現状です。今後4年間の水田の利用状況を確認する中で水稲面積の維持を最大限に考え、畑地化支援、ブロックローテーションの活用も視野に入れ、水田のフル活用を図るように検討します。山間地の谷間に存在する木曽地域では地形上の制約があることから、幅広くなにができるのか検討していく予定です。
そば、飼料作物は水田転作作物として定着しています。今後は水稲を作付しない作付体系を検討しながら、集落営農組織や地域で連携し、畑地化やブロックローテーションへの取組を推進します。

4 作物ごとの取組方針等

(1)主食用米
地域に適した品種の作付けをすすめ、また機械化組合等受託組織への作業委託や省力資材等の活用により作付面積の維持を図るとともに、米の流通情勢、消費者ニーズを踏まえ、売れる米作りを推進します。また、木曽地域は生産目標数量を作付け出来ず他産地へ拠出していますが、地域全体の需要・消費量をカバー出来ていない現状が続いているため、主食用米の作付けについては現状より減少させないことを目標とします。

(2)非主食用米
WCS用稲
飼料自給率向上対策として作付けを進め、耕畜連携した水田利活用に取り組み生産の拡大を図ります。また、多収性専用品種の導入や直播栽培、施肥効率化技術、有機物資材施用技術の導入により生産性向上・低コスト化を図ります。

(3)麦、大豆、飼料作物
交付金を活用し作付面積の維持・拡大をしつつ、麦、大豆については地域内の加工施設のニーズに応えられるよう明渠や耕うん同時畝立て播種技術等の導入により生産性を向上させ、複数年契約栽培により供給量の増加を図ります。飼料作物については1ha以上の面積集積を行い生産性を向上させ、耕畜連携を目指し畜産農家の飼料用作物の生産促進に取り組みます。

(4)そば、なたね
交付金を活用し作付面積の維持・拡大を図りつつ、地域内の加工組織や飲食店等への直接販売を行うことで、高単価での取引を実現しています。また、明渠や耕うん同時畝立て播種技術の導入により、生産性向上、面積の増加、単収向上を目指しています。

(5)地力増進作物
現在、水田転作作物や高収益作物の作付農家は堆肥の施設等により地力維持の取り組みを行っています。それ以外の品目においては、必要に応じて地力増進作物の導入を検討します。

(6)高収益作物
野菜・花き・花木・えごま、園芸作物は、産地交付金を活用し水稲との複合生産を推進しつつ水田利活用を進め地域で振興していく高収益作物等の維持拡大を目指します。地域振興作物として「はくさい」、「スイートコーン」、「かぶ」、「トマト」、「インゲン」、「トルコギキョウ」、「小菊」、「啓翁桜」、「えごま」について地域の特性を生かし水田での生産拡大を図り、既存のブランド力の向上と新たな「木曽ブランド」の育成を目指します。

5~8は下記PDFをご覧ください

5 作物ごとの作付予定面積等(PDF)
6 課題解決に向けた取組及び目標 (PDF)
7 産地交付金の活用方法の概要 (PDF)
8 産地交付金の活用方法の明細 (PDF)