【家庭菜園アドバイス】タマネギ栽培 冬場~収穫までの管理について

◆『とう立ち』(ねぎ坊主)に注意!
 以前タマネギを栽培したことがある方の中には、『収穫前にとう立ちしてしまい花が咲いてしまった』という経験をしたことがある方が多いと思います。これについてはいくつか原因が考えられますが大きく分けて二つに大別されます。

 ①大苗の定植や早植え、暖冬や多肥により生育が進んでしまった。
②活着不良や冬季の肥料切れ。

 ①については既に定植済みの方がほとんどかと思われますので、『年内に大きく育っているととう立ちしやすい』と覚えておいていただければいいと思います。
 以下の説明では、既に植えた方もいると思いますが、苗の植え付けと冬場における追肥、収穫作業のポイントについて紹介します。

■植え付け・追肥の時期から収穫までの作業のポイント
(1)植え付け(列植えの場合、図1)
 ①8~9㎝ほどの深さの植え溝を55~60㎝間隔で作り、溝に元肥を施し、少し覆土して苗を植えます。
 ②植え付けの深さは図のように根の上に土が2㎝ほど掛かるようにします。緑の部分に土がかかるのは深すぎて、後の育ちが良くありません。
 ③植え付け後に畑が乾きすぎるようなら、2~3回ほど株元に潅水すると活着が早まります。

図1列植え(条植え)

(2)追肥(図2)
 ①生育全体を通しての施肥量は、10㎡あたりチッソ成分量で200~250g程度です(BBN552で15㎏ぐらい)。このうち半量を元肥に、残りの半量を3回(BBN552で2.5㎏×3回に分けて追肥します。
 ②追肥のタイミング
 1回目は1月上旬、2回目は2月上旬、3回目は3月上旬となります。また、3回目の追肥が遅れると肥料が遅効きしてしまい、病害虫が発生しやすくなり腐りの原因にもなりますので注意しましょう。 

図2追肥
列に沿って鍬で溝をつくり、肥料を施して土をかける

(3)除草ほか
 タマネギは雑草に弱いので早めの除草を行いましょう。また乾燥にも弱く、水が不足すると肥大が遅くなります。

(4)収穫
 ①収穫は品種にもよりますが5月末から6月上旬ごろになります。生育が進み収穫が近づくと自然に倒伏していきます。
 ②収穫適期は全体が倒伏して1週間ぐらいになります。晴れた日が続いたのを見計らって収穫しましょう。収穫が遅れると皮の割れや病気が多くなりますので適期収穫を心がけましょう。
 ③収穫後はしっかり乾燥させることで保存性がよくなります。

【参考資料・図】
・JA新聞連「JA広報通信・あなたもチャレンジ!家庭菜園」
・家の光協会「野菜づくり百科」(栃木利隆著)

ご相談・お問い合わせ:農業生活部 農事園芸課 (0264)23-3310
           農事園芸課 宇田 晃